2019年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立しました。新たな治療デバイスも開発されて脳卒中の治療は大きく進歩し、脳卒中のガイドラインでも血栓回収療法の適用が拡大しています。当院も日本脳卒中学会による一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)コア施設の認定を受けています。Time is Brainという言葉もあるように、一刻も早く血行を再開通させることが求められています。新しい装置は従来よりもデータの読み出し速度が速くなっているので同じ画質を得るための回転撮影をより短時間で行えるようになりました。撮影中に静止できない患者様の体動によるアーチファクトを少なくすることができ、造影剤の使用量も減らすことができます。一連の治療においてはデバイスの誘導と3D撮影を何度か繰り返しますが、従来の装置は3D撮影を行う際に天井懸垂式の側面アームを頭側に退避させ、3D撮影が終了したら再びバイプレーンの状態に戻す必要がありました。新しい装置はハードウエア構造も脳血管内治療で求められる要求に応えるため新しく設計されており、バイプレーン配置のまま3D撮影を行うことが可能なので再開通までの時間短縮も期待できます。
当院では令和8年10月より新たにドイツ シーメンス・ヘルシニアーズ社製のバイプレーン血管撮影装置「ARTIS icono.vision D-Spin(アーティス アイコノ ヴィジョン ディースピン)」が稼働します。最新鋭の国内初号機となる装置となります。AI技術を取り入れることにより従来よりも画質が大きく向上しており、高度な治療を被ばく線量少なく行うことが可能です。
血管撮影装置とは血管にカテーテルを通して造影剤を注入し、様々な方向からX線を照射することで血管の狭窄や動脈瘤を診断し、治療が必要な場合には血管内から様々な治療器具を挿入することで負担の少ない治療を行える装置です。新装置では同時に2方向から血管を観察することができるので、複雑な血管病変に対しても安全に治療を行えます。
<脳動脈瘤塞栓>
新しい装置は従来の血管撮影装置から大きな技術の進歩を実現しています。脳動脈瘤の塞栓術で使用される頭蓋内ステントなどの微細な構造を鮮明に描出し、正確なデバイス留置がその場で確認できるよう、透視画像は従来装置の2倍の解像度を実現しています。また留置した治療デバイスと脳血管との位置関係をより詳しく把握でき、血管内治療後に出血などの合併症が無いかを確認するための3D 撮影にも新しい技術が搭載されています。従来の3D撮影は1軸での回転撮影を元に画像を再構成していましたが、新たに2軸の複雑な回転軌道による撮影・再構成を行うことができるようになったので、骨の影響でアーチファクト(偽像)が出現しやすい部位においても鮮明な3D撮影(コーンビームCT撮影)が可能になりました。治療後にCT室に移動して確認の撮影を行う必要も少なくなるので患者様の負担も少なくなります。
<血栓回収>
2019年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(脳卒中・循環器病対策基本法)」が成立しました。新たな治療デバイスも開発されて脳卒中の治療は大きく進歩し、脳卒中のガイドラインでも血栓回収療法の適用が拡大しています。当院も日本脳卒中学会による一次脳卒中センター(Primary Stroke Center:PSC)コア施設の認定を受けています。Time is Brainという言葉もあるように、一刻も早く血行を再開通させることが求められています。新しい装置は従来よりもデータの読み出し速度が速くなっているので同じ画質を得るための回転撮影をより短時間で行えるようになりました。撮影中に静止できない患者様の体動によるアーチファクトを少なくすることができ、造影剤の使用量も減らすことができます。一連の治療においてはデバイスの誘導と3D撮影を何度か繰り返しますが、従来の装置は3D撮影を行う際に天井懸垂式の側面アームを頭側に退避させ、3D撮影が終了したら再びバイプレーンの状態に戻す必要がありました。新しい装置はハードウエア構造も脳血管内治療で求められる要求に応えるため新しく設計されており、バイプレーン配置のまま3D撮影を行うことが可能なので再開通までの時間短縮も期待できます。
<CTやMRI画像の活用>
脳血管内治療においては血管撮影装置で得られる画像だけでなく、手術前に撮影されたCTやMRIの画像も活用することが手術のサポートとして有用です。様々な画像処理をシンプルな操作で行えるので、術者は多くの情報を元に治療に専念することができます。患者様には安心して検査・治療を受けていただくことができます。
<低被ばく>
血管内治療ではX線の被ばくを伴いますが、治療によるメリットはありながらも極力被ばく量は少なく抑える必要があります。新しい装置では従来からある被ばく低減機構に加えて更に新しい技術を搭載するこことで少ない被ばくで検査・治療が可能になります。血管内治療においては造影剤やガイドワイヤ―、ステント、コイル、液体塞栓物質など様々な素材が使用されますが、これらの素材が持つ特性を考慮したX線の形成を行うことにより、従来と同等の視認性を確保しながら透視・撮影の線量を低減する技術が搭載されていますので安定して高画質の画像を得ることができます。