朝日大学病院

岐阜県岐阜市 橋本町3丁目23番地 [JR岐阜駅より徒歩約7分]

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血液浄化センター

血液浄化センターの概要

血液浄化センターでは、40床(個室3床)を有し、月・水・金(午前、午後、夜間)3クール、火・木・土(午前、午後)2クール体制での透析をおこなっています。各ベッドにはテレビが備わっており、ベッドスペースも確保されています。
スタッフは腎臓内科医を中心とし、看護師、臨床工学技士、看護補助で構成されています。透析導入期から維持期まで幅広く対応しております。透析困難症の方や合併症の多い方には、IHDF・オンラインHDFを行っています。特殊血液浄化療法にも対応し、血漿交換療法、血漿吸着療法、CHDFなども対応しています。また、特徴の一つとして、他施設から合併症の治療のため紹介されてくる患者さんの多いことが挙げられます。
地域の要望に応えるべく、現在、提供可能な血液浄化療法を行いたいと思います。
当院は、地域医療を担う病院として、他の透析医療機関と連携し、透析困難症や透析合併症に積極的に関与していくことを目標としています。
*現在、外来の維持透析の転院は受け入れておりません。

  • 血液浄化センター

    血液浄化センター

  • フットケア

    フットケア

診療内容

主な検査と治療について

血液浄化センターでは、①血液透析(HD)・血液濾過透析(HDF)、②持続緩徐的血液濾過透析(CHDF)、③その他の血液浄化療法(PE、DFPP、GCAP、LDL吸着、CART、PMXなど)、④内シャント手術、⑤内シャントPTA、 ⑥フットケア、⑦腹膜透析(PD)、⑧腎代替療法の指導を行います。

①血液透析(HD)・血液濾過透析(HDF)
血液透析療法は、機械に血液を通し、血液中の老廃物や不要な水分を除去し、血液をきれいにする方法です。慢性腎不全で維持透析が必要になった方は1回4時間、週3回の通院治療が基本となります。事前にシャント手術が必要となります(→④)。シャントトラブルでシャントからの透析ができない場合や、急性腎不全で透析が必要になった方は透析用カテーテルを使用します。

シャントとは
一般的に動脈と静脈をつなぎ、動脈から多くの血液が流れるようにした血管(静脈)のことを指します。血液透析では1分間に約200mLの血液を取り出す必要があり、採血や点滴で使うような普通の静脈ではこれだけの血液流量を確保できません。そのため透析を始めるにあたり、シャントを作るための手術が必要になります。

血液透析(HD)・血液濾過透析(HDF)図解
一般社団方法人 全国腎臓病協議会
②持続緩徐的血液濾過透析(CHDF)
長時間持続的に血液透析濾過を行う血液浄化法です。長時間かけてゆっくり血液を浄化するため、心臓や血管への影響が少ないのが特徴です。多臓器不全や急性腎不全、肝不全などの急性血液浄化が必要な場合に集中治療目的で行います。
持続緩徐的血液濾過透析イメージ
③その他の血液浄化療法(PE、DFPP、GCAP、LDL吸着、CART、PMXなど)
  • 血漿交換(PE)、二重濾過血漿交換療法(DFPP)
    SLE、ANCA関連血管炎、重症筋無力症、多発性骨髄腫・原発性マクログロブリン血症などに適応される治療です。血液から血漿(赤血球、白血球などの細胞以外の成分)を分離し、その中に存在する病因物質(異常に増加した抗体など)を除去する治療です。
  • 顆粒球除去療法(GCAP)
    潰瘍性大腸炎やクローン病に適応される治療です。炎症に関係している白血球を血液中から除去します。
  • LDL吸着療法
    家族性コレステロール血症、閉塞性動脈硬化症、巣状糸球体硬化症に適応される治療です。血液透析のように血液を体外に循環させて、悪玉コレステロール(LDL)を選択的に吸着するカラムで取り除く治療方法です。
  • 腹水濾過濃縮再静注法(CART)
    肝硬変などで腹水が貯留しやすい患者さんの腹水を採取し、濾過・濃縮して静脈注射する治療です。全身状態・栄養状態の改善が期待できます。
  • エンドトキシン吸着療法(PMX)
    敗血症性ショックの際に行います。細菌がつくる毒素(エンドトキシン)を取り除くことで、ショック状態が改善することがあります。
その他の血液浄化療法イメージ
④内シャント手術
  • 自分の血管を用いる場合
    静脈と動脈の血管壁に小さな穴を開けて、細い糸を使用しつなぎ合わせます。透析に耐えられるほどの血管の太さになるまでに時間がかかるため、透析開始の最低2週間以上前には作製しておくが望ましいです。
  • 人工血管を用いる場合
    血管が元々細い、動脈硬化が強いなどの理由で、自分の血管でシャントを作れない場合は人工血管を用いてシャントを作製します。自己血管に比べて感染症のリスクが高まります。
内シャント手術 自己血管 人工血管 図解
⑤内シャントPTA(経皮的血管拡張術)
血圧の変動や頻回の穿刺によってシャント血管が狭くなることがあります。その結果、穿刺が難しくなったり、血液が十分に取れなくなったりして、透析に支障が出ることがあります。この場合バルーンカテーテル(風船付きカテーテル)を用いて狭い箇所を拡げる治療を行います。
内シャントPTA(経皮的血管拡張術) 図解
⑥フットケア
透析患者さんは、動脈硬化などの影響で足の血流が低下し、冷え・痺れ・痛みが現れます。また靴擦れ、水虫、やけど、ウオノメ、タコ、爪の変形などによる小さな傷をきっかけに、大きな傷→潰瘍→壊死→最終的には四肢切断に至ることがあります。当院では月に一度「足チェックの日」を設け、血流評価やセルフケア指導を行います。必要に応じて皮膚科や循環器内科と連携し、足のトラブルの早期発見・早期治療を目指しています。
フットケア イメージ
⑦腹膜透析(PD)
毎日自宅で、患者様ご自身(もしくはご家族の方)に行って頂く治療法です。
1回の治療(透析液の出し入れ)は30分程度です。
治療の回数、タイミングは生活様式や病状に応じ、主治医と相談しながら決定していきます。
フットケア イメージ
⑧腎代替療法の指導
StageG4(eGFR 30ml/min/1.73m2)以下の方を対象に、血液浄化センターで指導を行っています。できるだけご家族の方と一緒に聞いて頂くことをお勧めしています。
腎代替療法の指導 イメージ

腎移植に関しては生体腎移植と献腎移植があります。維持透析を経ないで腎移植を行う先行的腎移植もあります。透析期間が少ない(可能なら透析を導入しない)ほど移植後の経過がよいと報告されています。
腎移植を希望される方はStageG4(糖尿病合併の方は3b)の段階で移植施設を受診して頂くことが望ましいですが、原疾患や合併症によっても異なります。

出典:腎援隊, NOVARTIS
関連リンク

日本腎臓学会

日本透析学会

岐阜県透析研究会

日本腎代替療法医療専門職推進協会

日本腎臓財団

名古屋大学腎臓内科

実績

2018年 2019年 2020年 2021年
維持透析患者数(12月末) 141 137 151 133
総血液浄化件数 22,251 21,861 21,228 21,408
 IHDF・OHDF 3,771 4,956 6,850 7,771
 ECUM - 223 142 151
患者平均年齢 68 69 69 68
最高年齢 94 91 92 92
導入患者数 33 29 29 27
転入患者数 47 58 71 74
転出患者数 76 81 76 102
死亡患者数 5 15 15 14
透析中止数 - 4 0 2
透析離脱数 10 5 5 9
シャントPTA件数 31 34 36 35
シャント造影件数 10 15 20 11
G-CAP 0 7 28 22
シャントエコー 4 75 93 101
3階北(HCU): 透析 68 90 48 38
          ECUM 6 7 5 3
          HDF 5 11 5 6
          PMX 2 6 3 7
          CHDF 8 17 5 6

スタッフ紹介

部長メッセージ

朝日大学病院の血液浄化センターは、医師、臨床工学技士、看護師がチームワーク良く笑顔のある雰囲気を作り出すよう努力しております。患者さんとのコミュニケーションを円滑にして、患者さんとスタッフが一丸となって治療計画をし、最適な医療が提供できるよう努力していきます。また、透析医療のみならず、LDLアフェレーシスやG-CAPなどの血液浄化治療は急速な進歩を遂げています。このため、最新の医療が提供できるよう日々学会活動や勉強会などで知識を常に高める努力していきます。

血液浄化センター 診療部長 山本 順一郎

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