放射線部の概要
放射線部は、充実した医療機器を備え、各診療科から指示された依頼に対し迅速かつ正確に検査を行い、患者さんの診断及び治療方針の決定に重要な情報を主治医に提供しています。又、日々、進化する医療現場におけるニーズに対応できるよう、全スタッフが、高度な専門的技術、各種認定の取得等の自己研鑚に努め、チーム医療の一員として画像情報の提供、放射線治療を実践しています。
施設認定
マンモグラフィ健診施設画像認定(日本乳がん検診精度管理中央機構)
認定・資格
- 認定・資格名
- 医学物理士
- ガンマ線透過写真撮影主任者
- Ⅹ線作業主任者
- 第1種放射線取扱主任者
- 健診マンモグラフィ撮影認定
- 乳房超音波技術認定
- Ⅹ線CT認定技師
- 救急撮影認定技師
- 超音波検査士
- 胃がんⅩ線健診技術認定
- 放射線危機管理士
- 放射線管理士
- 臨床実習施設指導者
- 認定・資格者数
- 2名
- 1名
- 1名
- 3名
- 6名
- 1名
- 1名
- 1名
- 1名
- 4名
- 1名
- 1名
- 2名
当院の医療機器について
- エリアディテクタCT
- X線を使い、体の断面撮影を行います。造影剤を注入しながら撮影することもあります。検査時間はおよそ5~30分程度で、撮影用ベッドに寝ながら撮影を行う苦痛の少ない検査です。
2015年11月に導入されたエリアディテクタCTは東海3県初導入の最新機種で、高精細な心臓の撮影が可能となるほか、従来のCTに比べて被曝を少なくでき、使用する造影剤の量を少なくできる等のメリットがあります。CTの更新にあわせて、新型ワークステーション(高性能画像解析装置)も導入し、より詳細な画像情報を提供できるようになります。 - 1.5テスラMRI装置
- 放射線を使うことなく、磁気の力を利用して体の様々な方向の断面を撮影します。さらに、血液など体内にある液体の流れを画像化することにより血管などを描出することもできます。検査時間はおよそ20~45分で、撮影用のベッドに寝ていただきトンネル状の装置の中に入っていただきます。痛みによる苦痛は全くありません。当院では、2台の装置が稼動することにより緊急検査や遠方から来られた方の当日検査が可能となりました。新型装置導入により、より鮮明な血管描出や、高分解能なDiffusion画像(早期の脳梗塞を発見する画像)と心臓MRI検査などが可能となりました。
- デジタルマンモグラフィ装置
- マンモグラフィ検査とは、早期乳がんや、乳腺疾患の診断を行う乳房専用のX線検査です。
2016年5月より、最新型のトモシンセシス機能付きマンモグラフィ(3Dマンモグラフィ)装置を導入し、乳腺組織の重なりを減少させ、従来のマンモグラフィでは判別しにくかった、より小さな腫瘤や石灰化を描出することが可能になりました。
当院は、日本乳がん検診精度管理中央機構によるマンモグラフィ健診画像認定施設であり、女性のマンモグラフィ撮影認定技師による撮影を行っております。 - 乳腺超音波装置
- 乳腺用の超音波(エコー)診断装置を使用し、乳房(主に乳腺)の状態を調べます。
当院の機器では通常の検査に加え乳腺組織の硬さを画像化する機能(エラストグラフィ)や微小血流表示機能(MFI)を搭載しており、良性のしこりのようなものから乳がんまで早期に発見する事が出来ます。
また、超音波画像とMRIやCTの画像を組み合わせる事(fusion)が可能になり、広がり診断、副病変の確認、USセカンドルック、手術範囲の評価など、より詳細な検査ができるようになりました。 - 画像ガイド下吸引式乳房組織生検(マンモトーム生検)装置
- 検査でみつかった病巣の一部を、穿刺吸引細胞診や切開生検によって採取し良悪性の診断をするのが一般的ですが、触れただけではわかりにくい小さなしこりでは、的をはずしたり十分な量が採取できないという問題がありました。
この装置では、マンモグラフィ(ステレオマンモグラフィ)や超音波(エコー下マンモトーム)で病変を確認しながら針を刺し入れ、針の側面にある吸引口で組織を採取します。
この吸引システムにより狙った病変部の組織だけを無理なく採取でき、また乳房内で針が360度回転するため、1回の穿刺で多数の組織が採取できます。 - 2検出器可変型核医学診断装置(ガンマカメラ)
- 核医学検査とは、放射性同位元素(アイソトープ)で標識された薬剤(放射性医薬品)を体内に投与し、体内から放出される放射線を画像化する検査です。放射性医薬品は、特定の組織、臓器に集積する性質があり、ガンマカメラで撮影することで血流状態、代謝情報など診断に有用な情報を提供します。検査時間は数十分ほどかかりますが、ベッドに寝ているだけの比較的苦痛の少ない検査です。当院では2019年3月より最新型のガンマカメラに更新しました。画像再構成技術の向上に伴い、高画質で精度の高い画像が得られるようになり、より診断精度の高い検査が可能となりました。
- シングルプレーン心血管アンギオグラフィシステム(血管造影X線撮影装置)
- 血管内にカテーテルと呼ばれる細いチューブを挿入し、目的の臓器まで進めヨード造影剤を注入しながら 血管を撮影する装置です。
この装置では検査に留まらず、細くなった血管の拡張、腫瘍に栄養を送っている血管の塞栓、 脳動脈瘤の血管内手術などの、カテーテル下においての治療(IVR)を行っています。
当院では腹部用の大視野血管撮影装置と、頭部、心臓用のフラットパネル式血管撮影装置を設置し 使い分けています。 - IVR-CT
- IVR-CTとは、血管撮影装置とCT装置が一体となった医療機器です。
どちらか一方の装置でわかりにくい血管や腫瘍を、両装置の組み合わせにより明瞭に描出でき、 正確な診断と治療を同時に行うことが可能となりました。
この装置は、広い視野と歪の少ない画像を得ることができるため、 脳動脈など複雑な血管走行に対しては、3D血管造影や回転撮影を実施したり、 肝細胞の動注療法に対しては、16列マルチスライスCTを併用することで安全に正確な治療ができます。
カテーテル治療においても、病気の部分だけを正確に治療することができるため、身体に与える負担が少なく、 外科的手術に耐えられない高齢者などには特に有効です
。 当院では、主に肝細胞癌の治療や脳動脈瘤の塞栓術、頚動脈ステント留置術などを行っていますが、 それ以外でも様々なケースにおいて最適な治療を行うことができる優れた医療機器です。
実績
- 検査内容
- CT
- MRI
- 一般撮影
- R I
- マンモグラフィー
- 腹部超音波
- 乳房超音波
- リニアック
- 心カテ
- 頭部・腹部アンギオ
- 2015年
- 11643
- 7725
- 25333
- 469
- 2849
- 1934
- 3735
- 178
- 318
- 167
- 2016年
- 12217
- 7787
- 24857
- 469
- 2639
- 2146
- 3917
- 253
- 292
- 141
- 2017年
- 12452
- 7729
- 24479
- 430
- 2244
- 2041
- 3400
- 110
- 232
- 155
- 2018年
- 12494
- 7649
- 23583
- 346
- 1865
- 2257
- 2828
- 163
- 145
- 146
- 2019年
- 12594
- 7606
- 25252
- 401
- 1648
- 2402
- 2366
- 147
- 157
- 155
スタッフ紹介
部長メッセージ
放射線部には技師長1名、副技師長1名、主任技師4名含めて合計21名の診療放射線技師が所属しています。このうち女性技師は6名です。主な配属は総合健診センター部門5名、放射線治療部門3名、CT、MRI部門5名、核医学部門2名、病院画像診断部門6名で当病院の掲げる「親切、丁寧」をもとに患者さんに最善な医療が提供できるよう日々努力しております。放射線技師の業務には一般撮影、CT、MRI、IVR、核医学検査、放射線治療、人間ドックがありますが医療の高度化にともない専門性が求められるようになりました。そのためにこれからは他職種との業務連携を含め広い視野に立つ能力が必要となります。放射線部の役割には当院の医療水準に見合った質の高い医療技術を提供する人材の育成と医療機器の効率的な運用が求められます。個人のスキルアップに全国学会発表、技師会、各種研究会の活動に積極的に関与しています。毎月1回の放射線部研修会の開催、全国学会発表、海外学会発表など自己研鑽に努めています。
放射線部 技師長 藪下 勉