朝日大学病院

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皮膚科

皮膚科の概要

皮膚科は皮膚に関するすべての病気を診断し、治療する診療科です。帯状疱疹や蜂窩織炎(ほうかしきえん)のような感染症から、アトピー性皮膚炎や乾癬のような炎症性の疾患、悪性黒色腫のような皮膚がんまで取り扱います。皮膚にあらわれた症状は、皮膚自体の病気の場合と、他の臓器と関連ある病気の場合があります。皮膚の症状から内臓の病気が見つかることもあります。皮膚症状はその疾患によって様々です。かゆみや痛みがあることが多いですが、全くない場合もあります。正しい診断に基づく適切な治療を目指し、質の高い医療を実践したいと考えています。

主な対象疾患について

病名
じんましん・接触皮膚炎、薬疹、乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎・湿疹、天疱瘡・類天疱瘡、多汗症・無汗症、脱毛症・白斑、帯状疱疹、白癬(水虫)、皮膚悪性腫瘍・良性腫瘍、陥入爪・巻き爪、皮膚潰瘍・褥瘡(床ずれ)、膠原病(強皮症、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群)

診療内容

一般的な皮膚疾患の診断・治療だけでなく、なかなか治りにくい皮膚病についても最新の治療を積極的に行えるよう、できる限り努力しています。これまでの症状の経過を聞き、皮膚症状を詳細に見るとともに、ダーモスコピー、真菌顕微鏡検査、病理検査、パッチテストなどを用いて正しく診断し、それに基づいた治療を行います。内服や外用薬だけでなく、紫外線治療、手術、注射療法も含めて患者さんやご家族と相談しながら、一人一人に合った適切な治療を行います。
 初診は月曜、水曜、金曜の午前です。再診は月曜、水曜、金曜の午前の他に月曜と火曜の午後に行っています。火曜の午前は外来あるいは入院で手術を行っています。紫外線治療、液体窒素療法、注射療法は初診あるいは再診の時間帯で随時行います。パッチテストやプリックテストなどのアレルギー検査は予約で外来あるいは短期間の入院で行っています。治療で必要な場合には手術、点滴治療、外用療法を入院で行います。

主な検査と治療について

パッチテスト
接触皮膚炎(いわゆるかぶれ)の原因を明らかにするために、疑いのある物(例えば化粧品、薬品、植物など)を持参していただいたり、こちらで金属やスタンダード・アレルゲンを準備し、主に背中に48時間貼ります。原則として、貼ってから約48時間後、72時間後、1週間後に陽性かどうかを判定します。
プリックテスト
アレルギーの原因として疑いのある物(例えば食品、薬品など)を持参していただき、原因かどうかを確かめる検査です。軽症の場合は外来で行いますが、重症の症状を起こしたことがある場合は短期間の検査入院の上、十分注意して行います。
皮膚病理検査
皮膚症状の一部に局所麻酔を行い、3~4mm取って標本を作製し、悪性か良性か、あるいは炎症の程度を顕微鏡で判断します。
じんましん
じんましんは蚊に刺された後のように皮膚が赤く腫れ上がってかゆみを伴います。重症ではアナフィラキシーといって唇や舌が腫れて息苦しくなり緊急に治療をする必要があります。まずじんましんの原因を検査します。もし原因がはっきりわかればできる限り避けるようにしていただきます。しかし、原因がわからないことが多いので、その場合は内服薬で治療しますが、それで十分効果が上がらない時には注射で治療することもあります。
乾癬
乾癬は赤い発疹に白いカサカサが付着するのが特徴です。頭、肘、膝、すね、おしりなどに多くみられます。治療には、外用薬、内服、紫外線療法などがあります。最近では生物学的製剤の注射を重症や関節痛を伴う乾癬の患者さんに使用して有効です。仕事などでなるべく通院回数を減らしたい患者さんには自己注射を治療選択肢の一つとして提案しています。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症は手のひら、足の裏に赤い発疹と小さな膿が出てくるのが特徴です。関節の痛みを伴うこともあります。治療には、外用薬、内服、紫外線療法のほかに、最近では生物学的製剤の注射も行って、効果を上げています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は痒みを伴う慢性の皮膚炎で、仕事や睡眠など日常生活に大きな影響を及ぼす疾患です。軽症では外用薬を中心に、内服も加えて治療します。スキンケア、悪化原因の検索、ストレス対策、生活指導も同時に行っています。重症の患者さんでは注射製剤で治療を行っており大変有効です。2週間ごとに自宅で自分で注射することもできるのでそのやり方をわかりやすく説明しています。
多汗症・無汗症
多汗症についてはまず原因を調べます。原因不明の原発性腋窩多汗症では重症度に応じて塗り薬や局所注射治療を行います。無汗症では汗がどの程度、どの範囲で出ないのかを見るために発汗テストを行います。原因不明の特発性全身性無汗症では短期入院でステロイド点滴治療によって効果を上げています。
脱毛症
内科疾患や薬などで脱毛を起こすことがあるので、そのような可能性がないかまず調べます。原因不明の多発性円形脱毛症では外用薬、内服のほかに紫外線療法を行います。また、患者さんによってはステロイドの点滴を短期入院で行います。
紫外線治療
紫外線治療の中で、中波長紫外線(ナローバンドUVB)治療を主に行っています。乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎、白斑、円形脱毛症、菌状息肉症などが適応症で、外来で治療しています。1回の治療時間は数分以内で、痛みもありません。
皮膚腫瘍手術
脂肪腫、表皮嚢腫、皮膚線維腫などの皮膚良性腫瘍、基底細胞がん、有棘細胞がん、ボーエン病などの皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)の手術療法を外来あるいは入院で行っています。

実績

手術・検査・特殊治療 2021年 2022年
手術 皮膚良性腫瘍 48 95
皮膚悪性腫瘍 4 23
植皮術 2 4
皮膚生検 92 149
アレルギー検査 貼付試験 9 12
プリックテスト/皮内テスト 5 1
紫外線治療 47 87

スタッフ紹介

部長メッセージ

2021年5月から常勤で診療を開始しましたので、この機会に皮膚科診療をより充実させたいと考えています。最近では、アトピー性皮膚炎や乾癬、掌蹠膿疱症など今まで難病といわれていた皮膚疾患において、新しい治療によって多くの患者さんが日常生活に支障のない状態を維持できるようになりました。それらの治療は当院でも導入して行っており、今後も続けたいと思います。しかし、他の皮膚疾患では、痒みや痛みのような不快な症状や発疹で苦しんでいる患者さんがまだ多くおられます。そこで、それらの疾患に対してできる限り積極的に診断・治療に取り組んで、少しでも多くの患者さんの役に立ちたいと考えています。病院内の他の診療科やかかりつけのクリニックの先生方と連携し、また看護師やケースワーカーの人たちとも協力して最良の医療に心がけます。皮膚疾患についてどうか気軽にご相談ください。

皮膚科 清島 真理子

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