耳、鼻、のど（咽頭と喉頭）、口は外から見えにくく、病気の状態を確認するために内視鏡検査が有用です。
当院においてはオリンパス社製の最新内視鏡システムを導入し、迅速かつ詳細な診断を行っております。この内視鏡には狭域帯光観察（NBI）機能が備えられており、喉頭がんや咽頭がんの早期発見に役立っています。
内視鏡検査には感染対策が重要です。検査と検査の間には室内環境整備とともに内視鏡の全自動洗浄・消毒を行っています。

甲状腺腫瘍や耳下腺や顎下腺などの唾液腺腫瘍の検査には超音波検査が有用です。
当院ではGE社製のハイエンド超音波検査が頭頸部外科・耳鼻咽喉科外来に導入され、必要に応じて迅速にかつ精密な検査情報が得られます。更なる精密検査として組織を穿刺して細胞で診断する方法（穿刺吸引細胞診）がありますが、穿刺吸引細胞診を行うときに超音波検査を併用すると正確かつ確実に検査を行うことができます。

喉頭ポリープなどの良性腫瘍や中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がんなどの早期の悪性腫瘍は、首を切開せずに、口の中から腫瘍を切除することができます。
当院ではオリンパス社製手術用内視鏡システムと永島医科器械社製咽喉頭直達鏡システムを導入し、最新鋭の経口的咽喉頭部分切除術を行うことができます。

抗菌薬の発達により副鼻腔炎の手術は以前よりも減りつつありますが、難治性の場合には手術をお薦めします。
副鼻腔は鼻の周りにあり、目や脳と近いため合併症（副損傷）のリスクが大きいです。
当院ではメドトロニック社製ナビゲーションシステムとマイクロデブリッダーシステムを導入しており最新の安全体制で手術を行います。

甲状腺がんの診療には診断の際にも術後合併症にも反回神経の麻痺による嗄声（声がれ）が関わってきます。
当院では耳鼻咽喉科・頭頸部がん・内分泌外科の3種の専門医をもった医師2名で頭頸部外科・耳鼻咽喉科の診療を行っています。電子内視鏡や反回神経モニタリングシステムも装備しており安全に手術を受けていただくことができます。嗄声を生じている患者様には外科的に音声改善を行うことにも対応しております。

扁桃炎は発熱と堪えがたい咽頭痛を繰り返したり、いびきの原因となります。また、IgA腎症などの腎臓疾患や掌蹠膿疱症などの皮膚疾患は扁桃炎と大きな関係があります。
扁桃炎の手術（口蓋扁桃摘出術）は以前から術後出血しやすい手術の一つです。
当院では熟練した外科手技と最新の凝固システムで術後出血の少ない安全な手術を行っています。

顔面神経麻痺の最初は片側の顔の筋肉が突然動かなくなることが多いです。帯状疱疹のウイルスが原因となる場合が多く、抗ウイルス剤と副腎皮質ホルモン剤を使って治療を行います。厳重な治療管理を行うため、8日間前後の入院をお薦めすることが多いです。